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CULTURE 4分で読める

古いクルマにこそCarPlayを。残したい味と、消していい不便

あえて古いクルマに乗るのだから、不便も含めて楽しむべき。
そんな空気はあるけれど、好きなのは古さそのものではなく、そのクルマが持っている佇まいや操作感。

一方、知らない道を走るたびにスマホの小さな画面を頼ったり、音楽を聴くために接続で手間取ったりする不便まで、わざわざ残す必要はない。

ならば、CarPlayを入れてしまえばいい!
問題は「付くか」ではなく「似合うか」。古いクルマの味を損なわず、いらない不便だけ消す方法を考えます。

CarPlayなら、ナビも音楽も車載画面にまとまる

Apple CarPlayは、iPhoneの機能をクルマのディスプレイから使えるようにする仕組みです。地図アプリで道案内を見たり、Apple MusicやSpotifyで音楽を流したり、電話をかけたり。普段スマホで使っている機能を、運転中に扱いやすい形で呼び出せます。

スマホの画面をそのまま大きく映すわけではありません。接続すると、対応するアプリが車載用の表示に切り替わります。

この仕組みが、ひと昔前のクルマでは意外とありがたい。

純正ナビが残っていても、地図情報まで当時のままでは日常使いしづらい。ナビがなければスマホホルダーを付け、音楽を流すためにBluetoothレシーバーを足し、充電ケーブルを引っ張る。インパネの雰囲気を守ったはずが、気づけば後付け機器で賑やかになっていることもあります。

CarPlayなら、道案内も音楽もひとつのディスプレイにまとめられる。クルマそのものを現代化するのではなく、普段使っているスマホの環境だけを車内へ持ち込む。そのくらいなら、昔ながらのインテリアとも無理なく付き合えそうです。

古い車内では、CarPlayの“収まり”まで選びたい

ただし、使えれば何でもいいわけではありません。

いまは年式を重ねた車種にも、大きなディスプレイを取り付けられます。ただ、機能が増えるほど快適になるとは限らない。80〜90年代の細いダッシュボードに巨大な液晶が浮いていれば、使い勝手と引き換えに車内の印象は大きく変わります。

だから気にしたいのが、“収まり”です。

今回撮影した車両では、CarPlay対応のディスプレイがセンターコンソールの中へすっきり収まっています。左右のエアコン吹き出し口や、その下に並ぶ操作系もそのまま。液晶だけが前へ飛び出していないので、起動していても後付け感は強くありません。

見るべきなのは、画面サイズの数字だけではないということ。

運転席に座ったとき、ダッシュボード全体の中でどう見えるか。エアコンやスイッチの操作を邪魔しないか。配線がむき出しになっていないか。そこまで含めて選んでこそ、車内に自然と馴染みます。

便利な装備ほど、主張しすぎない方がいい。CarPlayを付けるなら、機能と同じくらい見た目にも気を配りたいところです。

残したいのは古さではなく、そのクルマらしさ

古いクルマの魅力は、不便さそのものではありません。

キーを差してエンジンをかける。独特な形のスイッチを押す。細いステアリングを握る。そうした操作や感触には、その時代の設計や考え方が残っています。わざわざ現代のものへ置き換える必要はないでしょう。

一方で、目的地までの道順を調べたり、スマホの音楽を車内で流したりする手間まで、年式と一緒に抱える必要はありません。それはクルマの個性とは別の話です。

現代の装備を加えることで、そのクルマが持っていた雰囲気まで薄れてしまう。そう考える人もいるでしょう。けれど、昔の生活まで丸ごと再現しなければ、その一台を楽しめないわけではない。

どこまで手を入れ、何をそのままにするのか。その基準になるのは、古さではなく「そのクルマらしさ」です。

車内の景色や運転したときの感触は変えない。そのうえで、いまの生活に必要な機能だけを足していく。

CarPlayは、そのクルマらしさと現代の使いやすさを天秤にかけたとき、かなり気の利いた落としどころなのかもしれません。

Photo: Tomoro Nakasuji/Instagram @tomoro
Edit: Kanta Hisajima