道路に25年ぶりのモデルチェンジ!? 国交省が見直した“いい道”の基準
2001年式のクルマなら、いまや立派なヤングタイマーです。この25年で安全性能やパワートレインは大きく進化し、当時は珍しかった装備もすっかり身近になりました。
では、そのタイヤが毎日触れている道路はどうでしょう。
9月30日、国土交通省から、舗装に関する省令の改正と技術基準の改定が発表されました。省令は同日公布され、2027年4月1日に施行。新たな基準は、同日以降に設計へ着手する高速自動車国道や一般国道などの舗装から適用されます。
路面が一夜にして変わるわけではないものの、道路のつくり方には久しぶりの大きなアップデート。クルマにモデルチェンジがあるように、その足元にも更新のタイミングがやってきました。
“いい道”は、完成した日だけでは決まらない
今回の改定で大きく変わるのが、道路をどれだけ長く使えるかという考え方です。
新たに導入されたのが「性能保持想定期間」。舗装が傷み、修繕を検討する状態になるまで、どれくらい性能を保てるのか。その期間を設計段階から見込むための指標です。
さらに、施工費だけではなく、その後の修繕まで含めたライフサイクルコストも重視されます。
納車した日は絶好調でも、すぐに調子を崩すクルマでは困る。それは道路も同じです。
クルマが走り続ければ、舗装にはひび割れやわだちが生まれます。だから完成直後の平らさだけを見るのではなく、何年先までいい状態を保てるかまで考える。
国が考える“いい道”の物差しに、「長持ち」という価値が加わりました。
長く使える道は、つくり方も変える
寿命を延ばすには、新しい材料や工法も取り入れる必要があります。
今回の改定では舗装の性能を評価する方法を広げ、新技術を採用しやすい仕組みへ変更。あわせて、アスファルト・コンクリート塊などの再資源化や、CO₂排出量を抑えた材料・工法の活用も盛り込まれました。
傷んだらつくり直す。それだけではなく、なるべく長く使い、使える材料は再び生かす。モデルチェンジの内容は地味ですが、道路にもいまの時代らしい価値観が反映されています。
そして、寿命を延ばすことはお金の話ともつながります。
かつて日本には、揮発油税や自動車重量税などを道路整備に充てる「道路特定財源」がありました。現在は一般財源化されているため、自動車にまつわる税金と目の前の舗装工事を直接結びつけることはできません。
とはいえ、道路をつくり、維持し続けるには当然コストがかかります。今回、長寿命化と同時にライフサイクルコストの縮減が掲げられたのも、その負担を長い目で考えるためです。
僕らはクルマの調子には敏感です。タイヤを替えれば乗り味を気にするし、サスペンションが変われば路面から伝わる感触にも耳を澄ませる。
そのすべてを受け止めているのが道路です。
クルマの進化を楽しむなら、その足元で起きている進化にも目を向けたい。道路は、ただ通り過ぎる背景ではなく、僕らのドライブをつくっている大きな部品のひとつです。
25年ぶりのモデルチェンジは、そんな当たり前を見直すきっかけになりそうです。
Edit: Kanta Hisajima