フジロック、そろそろ新幹線で行くのやめません? 苗場に似合うクルマ3選
インスタのストーリーズが、やたら緑と雨とビールで埋まっていた週末。苗場から戻った人も、画面越しに眺めていた人も、フジロックの余韻を引きずっていることでしょう。そんなときこそ未来のお話を。
というわけで、来年こそはマイカーで行きません?
友達を拾って、出演アーティストを流して、サービスエリアで朝飯を食べる。荷物が増えても気にしなくていいし、帰りに寄り道だってできる。せっかく苗場まで遊びに行くなら、会場に着くまでの時間も遊びにしてしまいたい。
では何に乗っていくか。ここまで考えてこそ、フジロックだと思うわけです。
山の中で雨や泥と付き合う3日間でも、服は機能性だけで選ばない。ゴアテックスを着て、帽子を被って、サングラスやアクセサリーまでちゃんとキメる。だったらクルマも、荷物が積めて、長距離が快適で、悪天候に強いだけでは物足りない。
せっかくなら、苗場まで乗っていく一台までかっこつける。今回は、そんな目線でおすすめの3台を選びました。
LAND ROVER DISCOVERY 3

仲間を大勢集めて行くなら、ディスカバリー3です。7人乗りのSUVはほかにもありますが、このクルマのいいところは、人数を詰め込むためだけに3列目を用意しているわけではないこと。2列目は3席がそれぞれ独立していて、3列目にもきちんとヘッドレストが備わる。大人同士で苗場を目指すなら、この差は意外と大きいものです。

しかも、見た目は本格派の四駆なのに、乗ってみれば案外ラグジュアリー。レザーシートにHarman Kardonのオーディオ、頭上にはサンルーフまであります。山へ向かう頼もしさは持ちながら、オンロードの数時間を我慢大会にしない。そのバランスが、ディスカバリー3らしいところ。

フジロックは、ゲートをくぐってから突然始まるわけではありません。友達を拾い、今年の出演者を流し、サービスエリアで朝飯を食べる。関越道で苗場が近づくころには、車内のテンションもすっかり出来上がっているはずです。
7人で行くなら、運転席だけが特等席では困る。その意味ではディスカバリー3の7席すべてが、フェス会場へ向かう途中の客席。人数が増えるほど面白くなる一台です。
RENAULT KANGOO 1st Generation

フジロックの荷物は、とにかく雑多です。レインウェア、長靴、着替え、椅子、飲み物。キャンプをするなら、そこへテントや寝袋まで加わります。しかも帰りには、濡れた服や泥のついた靴が新たな乗客としてやってくる。
そんな3日間には、初代カングーくらい肩の力が抜けたクルマがちょうどいい。四角いボディは荷物を積みやすく、頭上には飛行機のオーバーヘッドコンソールを思わせる収納まで用意されています。細かな荷物の置き場所に困らないのは、荷造りが増殖していくフェスでは素直にありがたい。

ただ、カングーを選びたい理由は積載性だけではありません。このクルマは、荷室を完璧に整理整頓しなくても様になる。スーパーの袋も、レインウェアも、誰かが脱ぎ捨てた上着も、全部ひっくるめて受け止めてくれる懐の深さがあります。

本気のアウトドアカーほど構えていないから、苗場ではちゃんと遊びの道具に見えて、東京へ戻ればそのまま日常に馴染む。アウトドア用の服を買うときも、山でしか着られない一着より、街でも着られるものを選びたくなる。その感覚に、初代カングーはよく似ています。
VOLVO XC70

3台のなかで、いちばんフジロックと親和性が高いのはXC70かもしれません。
ベースはあくまでステーションワゴン。しかし車高を上げ、ラフな路面にも対応できるクロスオーバーとして仕立てられています。高速道路を長く走るのは得意で、荷物も積める。かといって、山へ行くためだけにつくられたクルマではありません。東京の街中に停まっていても、ごく自然です。その“どっちつかず”がむしろいい。

フジロックだって、都市生活を捨てて大自然へ帰るイベントではありません。東京で聴いている音楽も、普段着ている服も、美意識も、そのまま持って苗場へ行く。ゴアテックスのジャケットを着ていても、どこかにはちゃんと洒落っ気が残っている。それがフジロックです。
XC70にも、同じようにアーバンとネイチャーの両方がある。舗装路では品よく、山へ入れば少し頼もしい。どちらかに振り切らず、その間を平然と行き来できるのが格好いい。

金曜の朝には東京の駐車場にいて、その数時間後には苗場の山を背負っている。その景色の変化を、一台のクルマで無理なくつないでくれる。XC70で行くフジロックは、遠征というより、いつもの生活を少しだけ遠くへ延長する感覚に近いのかもしれません。
Photo:Tomoro Nakasuji/Instagram@tomoro
Edit:Kanta Hisajima